そうだよ 1番大事な由里が願うなら何でもしてあげたいんだよ 外の世界の鮮やかな赤い実を食べたいといえば 灰色の廃墟みたいな団地を出てさ 外の世界の血の色の実を盗んできてやるよ そうだよ 知ってた その後すぐに鈍い痛みが頭の中で鳴って響いて 自分の眼が真っ暗になって何も映さなくなったとしても お前が願った血の色の実のことだけは その後すぐにコンクリートに沈められたとしても 知ってた 全部 未来 のことなんて 未来のことなんて お前が願った血の色の実のことだけは 身体がコンクリートに結ばれて眼が真っ暗になって何も映さなくても お前が願った血の色の実のことだけは 濃い青色に落ちていった 墜ちていったよ 濃い青色の奥は中途半端な砂だった 瞼に映る濃い青色と遠くの太陽の光 その奥は中途半端な砂だった 空気の音 ボコボコって音が鳴って響いて その奥は中途半端な唄が聞こえた ここはどこだろう この唄は誰のものだろう お前が願った血の色の実のことは 瞼に映る濃い青色と遠くの太陽の光とお前が願った血の色の実 その奥は中途半端な唄の世界だった この唄は 誰のものだろう
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