自分を小さく小さく見せてくれた。 だけど 自分の小さい部分まで たくさんたくさん透明にした。 そんな穏やかささえも眩しくて見つめられなくなったのは いつからだろう。 全てに色が見えなくて、全て色の無い世界になった。 それを認めたのはいつからだろう。 手を見れば指先に黒。やたらに白い手のひら。 きっと最初から。 きっと最初から。 価値を 知る日は来るの? どうして 生きることを許されたの。 大嫌いな自分 価値のあるものにしてくれたのは真っ黒な悪魔だった。 真っ赤な血の代わりに涙を流したあの日の波は やっぱり悪魔の見方だったんだね。 ∴ 全然別の星を見ながらオリオンの三ツ星だと勘違いした。 肌が異常に白い生き物を見て病気だと信じた。 めまぐるしく動く世界の中で笑うその目を皮肉なものにしたくはなかった。 いつものように黒い服を着た。いつものように白い肌の上に黒を重ねた。 「俺、悪魔なんだって言ったら信じる?」 「悪魔じゃないから信じないよ」 その目を皮肉なものにしたくはなかった。 どれだけ黒いものを重ねたら変われるのだろうと願ってた。 「1歩、進むことにしよう。お互い話すのが苦手なんだよ。あたしたちは、進むことにしよう」 「握手、しよう」 握り返してくる体温を知ったのは、同時に全てに色がついたあの日。 自分の手の色と冷たさを一瞬忘れたあの日。 その一瞬が永遠になることを祈った。 その音が永遠に響くことを願った。 願っても 所詮叶わないことを 願ってはいけないことを 願ってしまった。 赤黒い色が 手を染めるところをまた見た。何千回目かに 見た。 next |
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