今僕は 青に似た灰色の上を 歩いてるんだけど。





1段の階段





靴が壊れることが心配で仕方ないのである。

裸足の足では今までの様に普通に進んで行けるか判らないからである。

もうその靴も 底の部分の皮が若干足の裏に張りついているだけだ。

僕は肩を上下させながら足の裏の靴がはがれないかそればかり気にしながら歩く。
はがれたときの地面の質感は 想像もつかない。



ポケットや鞄からこぼれ出た物は言葉を成さないから気にならない。

薄情なものだ と 廻り続ける脳が思う。

足の裏の靴ははがれず この道も終らない。


止まったらその拍子に靴がはがれてしまうかもしれない。

靴が無くなったら歩き続けられるか判らない。



ポケットや鞄からこぼれ出た物は言葉を成さないと思っていた。

まさかひとつひとつが理解できない言葉で歌を唄っているとは。


素敵なはずのその歌が 騒音でしかないのはどうしてだい?


脳内に響く雑音でしかないのはどうしてだい。



もう つまずくべき段差や石さえも見えないな。




ああ 青に似た灰色のこの果てしない道にこぼれ落ちた物達が
雑音を思い出させてくれたことに似た錯覚を感じる。

僕に耳はまだ在るか?

足に靴はまだ在るか。

ならこの雑音に合わせて ステップを踏んでみたい。

沢山転びながら、この果てしない道でステップを踏んでみたい。

靴が無くなっても良いと思いながら、ステップを踏んでみたい。



そしたらまた 道は段差を創るだろうか。



また段差を創るだろうか。

また色が戻るだろうか。

また音色が聞こえるだろうか。


また奏でられるようになるだろうか。


例え靴が無くなっても。




きっと終わりはまだ見えない。

だけどまた 僕に会える日は 近い。




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